新潟の温泉旅館、「湯田上温泉 ホテル小柳」に泊まった感想です。
ホテルの概要やおススメポイントなどは前回の記事にまとめています。
今回は実際に泊まったときの実体験日記となります。あまり写真を撮っていなかったので、ほとんど文字だけになりますがご容赦を。
へとへとだけど、アメニティは楽しむ
チェックインは午後5時前。ロビーは広く、座れるソファーもいくつかありましたが、受付自体がスムーズだったので待つ必要はありませんでした。
アメニティは、各階のエレベーター横にコーナーがあり、そこに置いてあるものをとっていく仕組みでした。歯ブラシ、シャンプーハット、髭剃り等一般的なものはそこに置いてあります。
着物・履物については、上記のコーナーに旅館の浴衣が各サイズ、履物は足袋風くつ下とスリッパが客室に備え付けられています。
アメニティについては、フロントにあるもの・各階のアメニティコーナーにあるもの・客室内に備え付けてあるものと点々と用意されているので、ちょっと分かりにくいです。
気になったアメニティ紹介
最初にお断りしておくと、私は旅行経験豊富ではないので、他ホテルとの比較はほとんどできません。また、アメニティにこだわりがあるわけでもないので、全てのアメニティは覚えていません。あくまでも、ゆるく楽しみながら旅行をしている私の印象に残ったアメニティの紹介です。
浴衣の柄が派手すぎないので落ち着く
用意されている浴衣の柄は、花や草等の自然物モチーフの落ち着いた色柄です。旅行が久しぶりの私でも可愛い!とときめくような感じではありません。しかしその分誰にでも違和感なく身に着けられる、正統派旅館の浴衣という雰囲気。旅館のロゴ柄などの、ちょっと着にくい柄でなかったので、私は満足です。着心地は、もう本当普通の浴衣としか表現できないのですが、ちゃんとアイロンをかけて畳んでいることが分かるもので、汚れがあるものや汚くなったものをずっと貸し出しているような地雷要素はなかったです。写真を撮ってらず文字だけの情報ですみません。
他のお客さんとは違う柄が着たいという場合には、フロント横に貸し浴衣コーナーがあったようなので、好みに合わなかったり、特別な気分を味わいたいときはそちらを利用すれば選択肢が増える点がありがたいと思います。
足袋風のくつしたが良い
客室にあったアメニティ。生成り生地の足袋のような親指と残り4本指を入れる場所が分かれている、足版ミトンというか、草履を履くときに便利な足袋の形状をした靴下。
ロビーに散策用の草履がいくつかおいてあったので、おそらくそれ用なのだと思います。使い捨て用なのでクオリティはそこそこですが、使いまわしではない分衛生的に安心できます。なお、館内用のスリッパは足の隠れるタイプなので、草履を履かない方は自分で持ってきた普通の靴下を使って問題ないと思います。
なぞの黄色いちゃんちゃんこ
客室を入ってすぐのハンガーに備え付けられていました。還暦のお祝いの際に着用する赤いちゃんちゃんこの色違いという感じでした。縁起が良さそう。
残念ながら、色が浴衣と合っておらず、袖がないので寒さ対策としても中途半端と感じて着用はしていませんが、存在感が大きい謎アメニティでした。風水関係だったりする……?
客室到着。とりあえず寝る。そして、悲劇。
私に割り当てられた客室は2階。ロビーからさほど離れていないエレベーターで上がり、アメニティコーナーから必要なものをとって客室へ。特に迷いやすい造りではありませんでした。
客室の鍵はアナログな鍵です。客室番号が記載された長方形のキーホルダーがついているやつ。個人的にはカードよりこちらが好きです
部屋は、ウェブサイトで見たもの通りでした。多少写真の方が広く見えたかなという部分はありますが、綺麗さは写真の通りという評価。1泊9,000円のシングルルームですので、広さや特別な設備はなく、2階なので眺望も窓を開けたら土の壁と雑草といった具合でしたが、よく清掃されていてシーツもパリッとしていたので、私としては満足です。
とりあえず客室について荷物を下ろすことができたので、ふもとのコンビニで買っていたお弁当を食べて一息。食事中ずっと足の裏がジンジンしていたのと、荷物を下ろした途端に肩がふわっと軽くなって、そこからじんわりと疲労の感覚が広がってきたのを覚えています。
ムチャした自覚はあったので反省。
自分でも自覚していた通り、飛行機の気圧ダメージが回復しないまま5時間程度歩きづめだったため、食後すぐに体が限界を告げるように、強い眠気が襲ってきました。
そのまま歯磨きも着替えもせずに、ごろんとベッドに横たわり、メガネをどうにか外したところで意識を失いました。
そしてだいたい30分後、寝る準備を全く整えていないままだったので寝苦しかったのか目が覚めました。疲労も眠気もまだ残っていましたが、寝るのに適していない服を脱ごうと思えるくらいの気力は回復していたので、もうろうとしながらもベッドに腰掛けました。
ベキッ
いったんベッドから降りて床に立ったら、やっぱり足の裏が痛かったので、早くベッドに座ろうと、勢いよくベッドに腰掛けたのも悪かったのでしょう。
あまりにも不吉な音におそるおそるお尻を下ろした場所からのくと、そこにはメガネがありました。
「壊した……!??」
今までの眠気も疲労もびっくりするほど吹っ飛んで、すばやくメガネを取り上げると、とりあえず折れてはおらずメガネの形を維持していました。……しかし何か違和感がある。おそるおそる各所を触ってみると、メガネのレンズをつまもうとした指と指がくっつく。
メガネを外したときの私の視力は0.1以下であるため認識できていなかったのですが、レンズが片方外れていたよう。急いで旅館ならではのボリュームのある掛布団をまさぐると、不幸中の幸いで割れてはいないレンズが出てきました。
ただし、レンズの側面を覆ってフレームとの接着を助けるゴム材がちぎれてしまっていました。また、フレームも折れてはいないものの少し歪んでいるよう。
途方にくれました。
なぜなら、まず私は小学生のころから視力が弱くメガネのヘビーユーザー。メガネなしでのまともな日常生活なんて考えられません。にもかかわらず、私はスペアメガネを持ってきておらず、ここは駅まで徒歩30分の周囲にコンビニすらない山の中。なんなら、現在時刻の18時前後になっても開いているメガネ屋に行くなら新潟市内かその周辺まで戻らねばならず、これから暗くなっていく山道を考えると今日中に修理することはほぼ不可能。
そんでもって、この壊したメガネ……8万円するのです。
バーーーーーーーーカ!!!(自分への罵倒)
個人店で作ってもらったお高いメガネなので、新潟市内に戻ってもチェーン店で直してもらえるかもこの時点では分からず(ネタバレ:後日直してもらえました)、何より今日をどうやって乗り切るかについて「やばい!やばい!」しか出てこない心境でした。
なんせ、旅行は始まったばかり。あと4日あるのです。
この時点で眠気はすっかり覚めて、私はスマホで対策を調べました。
「(とりあえず、フロントで応急処置できるものを借りて旅館内はそれでどうにかする。明日は月岡温泉や新発田に寄ってから新潟市内へ戻ろうと思っていたけど、確か朝に旅館から新潟駅の送迎バスがでてたから、それで直行で戻る!!とりあえずチェーンのメガネ屋さんに相談して、修理か最悪新しいものを購入!)」
というのが焦りながらも考えた作戦です。調べたところ、応急処置についてはボンドが厳禁。後で簡単に外すことができるセロテープなどでくっつけて急場をしのぎ、外れた部品は全てもっておく。
レンズが外れただけだったり、フレームが曲がってしまった程度であれば、どこのメガネ屋さんで購入したものでも修理を請け負ってくれるところがほとんどらしいので、それにかけることにしました。8万円もしただけあってちょっと特別なレンズを使っているので、それが悪影響を及ぼさないかがただただ不安でしたね。
とりあえず、メガネがないと看板の文字を読むのも難しいので、応急処置をすべくフロントへ。正直に事情を話してセロテープをお借りしました。しかし、最初メガネをもっていかずに声をかけたので、「備品なので一応目の届く場所で使ってもらいたくて…」と言われてしまい、メガネを取りに往復する羽目に。普段は何ら問題ないのですが、メガネがないと階段の縁も見えにくいので、ちょっとした段差すらデンジャラス……。これ以上壊したくなくて持ち歩かなかったのが災いしてしまいました(;^ω^)
そして、ドヘタクソ工作のセロテープ巻き巻きメガネの完成!……どうしても見えない時以外は使わないようにしようと思いました。
お高いメガネの功罪
ここでちょっと、8万円メガネのことについて。
こちらのメガネは退職してからメガネ(視力)に課金したいと思い立って、旅行の1か月ほど前に作ったメガネでした。作って早々壊しました。
金額が高いので焦りましたが、この後ちゃんと直っています。
こちらのメガネはお金をかけただけあって、軽く・ずれにくく・遠近両用はもちろん、見え方の癖を矯正して視力の回復が期待できるレンズ・しかもブルーライトカットより高性能な雑光カット機能がついているハイスペックメガネです。
メガネ屋さんも視力回復について研究して取り組まれているところで、店員さんの知識が深く、メガネ購入後のアフターケアとして、視力検査・視力回復に伴うレンズ交換(無料)がついており、金額も高いどころか割安かもしれません。
お気に入りなのですが、気軽にスペアを用意できる値段ではなく、前のメガネをかけると見え方が違いすぎて目にも良くないという理由で、今回一切替えのメガネを持たずに旅行に来てしまいました。
メリットデメリットとしては、
〇高くて良いフレームなので衝撃を受けても割れたり折れたりしなかった
〇視力回復効果が高く、メガネを替える前に比べて、裸眼での行動が楽だった
〇今回の軽い破損ならチェーン店でも修理可能だった(無料)
×価格の点とこれ以外のメガネの見え方の差異が大きい点からスペアメガネを旅行に持っていくのが難しかった
×金額が高いので、壊した時の絶望感がハンパない
といった感じです。いつかメガネのレビュー記事を書きたいと思っていますのでよろしくお願いします。
メガネがなくともお風呂は温かい
メガネを壊したおかげで、それまであった眠気は完全に覚めました。
疲労感は残っているものの、残っているからこそお風呂には入った方がよいなと思ったので、メガネの修繕が終わったあと、すぐにお風呂に向かうことに。
ちなみに、お風呂の中は撮影禁止と思われますので、写真は一切ありません。ホテルの公式サイトにいろいろ乗っているので、興味のある方はそちらからどうぞ!
https://www.oyanagi.co.jp 👈ホテル小柳 公式サイト
大浴場体験談
ホテル小柳の大浴場があるのは最上階です。エレベーターで上がると、最初に湯上り休憩エリアが。ここでは、無料の水分補給はもちろん、なんと源泉を飲むこともできます。普通の給水機のような感じで、紙コップにつげるようになっており、温度はぬるま湯程度です。温泉を飲むことで、温泉に入った時のような効果を得られるみたいですね。
面白そうなので試してみました。味は正直まずいです。ざらっとした舌触りのぬるい水って感じ。しかし、効能があると書いてあると飲みたくなってしまう心理は何なんでしょうね。貧乏性?
疲れで体も弱っていると思うので、冷えた水よりぬるい水の方がいいだろうと思って、小さなコップ2杯分ほど飲んで、そのまま女湯に向かいました。
館内用のスリッパで来る人が多いので、靴箱でのとり違いが発生しないように、名前を書くシールが置いてあり、それを貼って靴箱へ。個人的に、履物をロッカーに入れるのは好きではないので、このシステムで良かったと思いました。
脱衣所は普通です。特筆するとしたら、扉を閉められるロッカーではないので、貴重品はもってこない方がよいかも。お風呂上りに利用する洗面所は入ってすぐ見えるものの他に、近付かないと人感センサーライトがつかないので分かりにくい入り口や脱衣所から死角になっている部分にもあります。ドライヤーの性能は普通(ハイスペックなメーカー品ではないです)、化粧品、乳液等に加えて角質がボロボロとれるローションも置いてありました。お風呂全体に言えることですが、高機能・華美ではありませんが、清潔で広めです。
お風呂は、シャワースペースと、内風呂と、サウナと、露天風呂。
私が行ったときは、特別スペースとしてポーラのシャンプー・リンスが4種類置いてあり、好きに使えるようになっていました。シャワースペースにもともと備え付けられているやつは、業務用らしき大きさの普通のシャンプー・リンスです。私はポーラの方を使用しましたので使い心地は不明。
ポーラブランドのシャンプー・コンディショナーはちょっといいビジネスホテルには置いてあるイメージで、今回の旅行でも出会う機会が多かったです。
内風呂は大きくて、窓も大きく前面ガラス張りで外の雄大な自然がよく見えます。山の深い緑に加えて海まで見えるので、ここまで山を登ってきてこのホテルに泊まって良かったなと思えました。
サウナは小さくて普通のサウナだったので入っていません。
露天風呂は、内風呂の1/3程度の大きさですが、一面に柵が無く、高い場所から仕切り無しに自然を眺められます。女風呂からは海と山を同時に見ることができます。公式サイトに載っている写真も女風呂からの光景だと思いますが、男風呂は女風呂より奥にあり、女風呂が見えないような造りになっているはずなので、もしかしたら眺望は全面山かもしれないなと思いました。なんにせよ、自然の中に浮かんでいるような錯覚にひたれる素敵なお風呂です。
ちなみに、山が近いので虫が多くないかが不安だったのですが、ほとんど見かけませんでした。
少なくとも6月の夕方の時間帯には全然いません。この後早朝にも大浴場に入るのですが、このときは露天風呂の方に小さな虫が少し浮いていました。これだけ自然に近い場所なので仕方がないことだと思いますし、自然に近いわりには全然いません。しかし、どんなに小さくても虫が浮いてるお風呂は絶対にムリ!という方にはおススメしません。
お風呂上りは広々ラウンジで
お風呂上りに最上階から1階まで下りてロビーの左右にある休憩スペースを探索してみました。
ヒノキ玉の足湯や、小さな売店、オシャレで広々としてしていながらもどこか朴訥とした素朴さも感じるラウンジ。露天風呂の階には絵葉書つくりのコーナーもあって……。
私は旅館のこういうところが好きです。
売店は正直めぼしいものがなかったので何も購入しなかったのですが、ここにしか置いていない新潟土産になりそうなお菓子なども置いてあって、見ていて楽しかったです。
ラウンジには無料のドリンクが置いてあり、ここのはちみつ紅茶がべらぼうに美味しかった…!パック紅茶ではありますが、はちみつの甘さがちゃんと出ていてとても好みでした。本来ならメーカーをチェックしてアマゾンか楽天で購入していたところですが、疲れで頭が働いておらず「おいしーー!」で終わってしまった……ちょっと後悔してます。
疲れすぎて8時就寝
夕方にはメガネを壊してひとりで大騒ぎ。少し暗くなったころには大浴場を楽しんで、髪を乾かすやら1階を除くなど含めて1時間以上ダラダラ満喫していました。
部屋に戻るともう8時近く、余裕があれば周辺の散策などする予定でしたが、周囲も暗く疲れも感じているのでもう寝ることに。
普段は夜10~12時に寝ており、この日は乗り物に乗っている間中寝落ちして、旅館に着いてからも寝ていて睡眠時間自体は確保できていたはずなのですが、8時にベッドに入ってあっさり眠ることができました。
ちなみに、この旅館のシングルルームはシモンズ製らしく、ちょっとお高い寝心地を体験できるらしいですが、正直疲れすぎていて横になれれば天国という感じだったので違いは分かりませんでした(笑)
客室の壁の厚さは薄めなのか、構造上の問題なのか、他の客室からの声はうっすら聞こえてきます。私の場合は疲れすぎていて全く問題なく眠れました。
ちなみに、私が普段使っているのはシモンズベッドより固めの寝心地のフランスベッドです。シモンズやフランスベッドのマットレスは高いですが、安いものよりヘタレにくいのでおススメです!
というわけで、気ままなひとり旅旅行の1日目を終えました。
2日目朝。今日の予定と、早朝朝風呂
旅行2日目6/10。この日は朝3時に目が覚めました。国内なのに時差ボケみたいなことになっています。
寝起きが悪いので少しうつらうつらしてからベッドを出て、本日の予定を復習してから午前4時くらいに朝風呂へ行きました。
気ままなひとり旅なので、予約は最低限しかとっておらず、どんなことをするのかは前日かその日に決めていました。
本日分で事前に取っていた予約は、午前9:30出発のホテル小柳→新潟駅シャトルバスと、本日泊まる宿「ホテルオークラ新潟」の朝食付き1泊だけです。
前日までは、この日の行動プランは2パターン考えていたものの決められていなくて、
その日の疲れ具合によって、
・月岡温泉などの市内から少し離れた観光地を巡ってから、市内のホテルオークラ新潟へ行く
・チェックアウトギリギリまでゆっくりしてから電車で市内へ。市内を軽く観光してホテルへ行く
のどちらにするか当日決めようと思っていました。
しかし、前述の通り、昨日の夕方に事件が起きましたので優先順位が替わりました。
「とにかく一刻も早くメガネを修理してもらわなければ!」
というのが、本日の行動の指針となりましたので、本来30分ほどかけて徒歩で駅に向かおうとしていた予定をキャンセル。セロテープを借りにフロントへ行った際に聞いてみたところ、9:30に新潟駅に向かうシャトルバス(前日までに予約が必要)の席がまだ空いているとのことでしたので予約しました。
朝起きたら疲れもだいぶ取れていて9:30の出発でも問題なさそうでしたので、そのノリで午前中の間に市内へ移動して、メガネを修理してくれる店を探して、修理完了後にホテルに荷物を預けてから市内観光というプランになりました。
ゆるゆるひとり旅ならではの勝手なプラン変更ですが、これが私には向いていたみたいです。幼少期の家族旅行や修学旅行、社員旅行などは「日程を無事こなすもの」という意識が強かったのであまり楽しい思い出がないのですが、今回はこういう風に「やってもやらなくてもいい」という気持ちで過ごすことができたので、旅行を娯楽として楽しむことができました!(……20代後半にして初めて(笑))
午前4時がお風呂の営業開始時間です。サウナなど一部のコーナーは午後5時からですが、露天風呂は開いているそうなので、予定が決まった後は2度目のお風呂に行ってみることにしました。
月曜日の朝4時すぐに大浴場に入ったので、平日なこともあってか一番風呂でした^^
4:30くらいにお一人入ってきましたが、それまでは広い内風呂も、見晴らしのよい大浴場も独り占め。早起きは三文の徳どころか、500円分は得した気分でした!
6月初旬だと、4時には外がうっすら明るくなっています。なので残念ながら夜→朝の景色の移り変わりはボヤっとした感じ。曇っていたのも原因かもしれませんね。
入った時には空が濃い紺色でお風呂のところどころに設置されている暖色のランプが月明かりのようで温かみのある空間ですが、10分も経つと水で薄めたように紺色が淡くなっていき、7、8時台に見える「いつもの朝」へと静かに変化していきました。
雲か方角が原因で朝日は見られませんでしたが、自然豊かな場所で感じる朝の澄んだ空気と鳥の声を聴きながら、温かいお湯にゆったりと浸かるという体験はとっても満足度が高いです。露天風呂は温度がぬるめに設定されているようなので長い時間浸かっていられるのもよかったですよ!
ひとりで朝食バイキング
朝食は大きな会場でのバイキングです。味・種類ともに都内・市内のホテルと比べても遜色なく、雑木林の見える大きな会場でゆっくりいただくことができます。
味や雰囲気は、ホテルの高級感というよりは、食堂のおかず。私は好きです。新潟の名物がたくさん使われていたので、めずらしいものをいろいろ食べることができました。
特に係の案内などはなく、好きに食事をとって好きな席を確保して食べる形式でした。営業開始後に即入ったので、食事を盛ってからでも窓際の席を確保することができました。大きな窓からすぐ近くの雑木林が見えて綺麗。1人なので窓際の4人席をとるのは少々躊躇もありましたが、4人席が最小で、かつ窓際席以外は席が並んでいるスペースの中心部になるので注目を集めそうだったゆえの選択です。
長方形の会場で半分がバイキング会場、もう半分がイートスペースという感じでしたので、席数には余裕があると思います。
おひとり様旅行者は私以外見かけませんでしたが、とくに注目もされずゆったりと過ごすことができたと思います。でも、おそらく人目を気にしてしまう気質の人は気おくれしてしまう空間だったと思います。会場内に衝立や1人用の席などのお一人様歓迎系の設備はなかったので、シングルルーム以外のおひとり様が過ごしやすい空間づくりはされていないようです。もともと団体客・家族連れをターゲットにした旅館のようですね。しかし、1人でいることで何か言われたり、変な目を向けてくる方はいないので、1人だからと言って不快な思いをするような場所ではありません。私の場合、料理を見るためにセロテープをベタベタ貼ったメガネを付け外ししていましたが、それでもあまり奇異の目を向けられませんでした(一瞬見られたくらいかな)。
体感として、朝食会場もその他旅館内設備も、ファミレスに1人で入れる人は問題なく楽しめると思いました。
シャトルバスで新潟駅まで直行
9:30のシャトルバスを利用して新潟駅まで戻ることにしましたので、朝食後は早めに室内を片付けてチェックアウトの準備をしました。
この日のシャトルバスは、毎年恒例?でホテル小柳を利用する数組の家族の団体が予約していたようで、その団体以外の客はたぶん私ひとりでした。家族さんたちはホテルの従業員たちとも仲良く、最後まで別れを惜しんでバスの内外から手を振りあっていたので、ここに紛れるのはちょっと肩身が狭かったです(笑)
40分ほどかけて、新潟市内へ。市内に近づくまでの車窓から見える景色は、草!田んぼ!草!って感じでした。自然いっぱいの景色が、ある一点からいきなり市街地の景色へと変わるのが面白かったです。新潟駅周辺の市内は高いビルが並んでいる都心に近い光景なのですが、少し離れると米どころとして納得いく風景が広がっていて、シャトルバスで移動しているだけで広い県内に使用用途が全く違う土地が共存していることが実感できたのは思わぬ楽しい経験でした。
自分が住んでいる県とは全く違う風景を見るのも楽しかったですが、市内へ入ると全国展開しているチェーン店がたくさんあり、自分が住んでいる県とごくごく似た風景を見られるのも面白い……というか不思議な安心感がありました。海外旅行だとこういう体験が難しいので不安になってしまいそう。
新潟駅の南口まで送っていただき、そこで下車したら、1日目のホテルとは完全にお別れです。清潔で広々としているけれど、どこか素朴な空気もあって、素敵なホテルでした。