ひとり旅1日目 そのに【美術館と山の旅館】

FIRE

 前回は、福岡→新潟の飛行機移動と、飛行場から新潟市内への移動でした。

 今回は、1日目の目的である、新潟市新津美術館へ立ち寄り、最初の宿である湯田上温泉 ホテル小柳へ宿泊した際のお話を。
 新潟県はとても広く、観光は車があった方が断然便利といわれていますが、今回私は車を使わずに、温泉旅館へ泊ってきました。新潟で車の運転ができない(お酒を呑みたいのでしたくない等)方でも新潟を満喫できる方法として、参考にしていただければと思います!

この記事が役立つ方
・新潟旅行を計画している方。
・女ひとり旅をされる方。
・車を使わないでいい範囲で観光したい方。
・いい感じの新潟温泉旅がしたい方。

ゴールデンカムイ原画展!(終了済み)

 これに行ってきました!
というのは、もう終了済みの原画展ですし、読んでいる皆様にはあまり関係ないと思います。なのでこの展覧会の感想などは省略します。

 でも、楽しかったですし、会場である新潟市新津美術館の周辺には、周囲を散歩するだけでも楽しい自然公園みたいな植物園や道の駅のような買い物場所などあって楽しいので、展示の内容とは関係なくお勧めできる場所です。
 新潟らしいというところではないので、新潟県全体でおすすめ観光スポットを挙げるならランク外ですが、新潟市内にある施設より込んでおらず穏やかな場所なので、市街からそこまで離れていない場所で美術館や植物園、自然を楽しみたい、広い公園でのんびりしたいという方向けだと思います。

https://www.city.niigata.lg.jp/nam  👈新潟市新津美術館公式サイト

会場の美術館は素敵なところですが、徒歩で行くのはおススメしません!

 素敵な場所ではありますが、基本的にはお車で観光されている方向けの施設だと思いました。
特に、私が使った電車の最寄り駅から歩いていく方法はおススメできません。

 理由は以下3点。
・駅から徒歩25分強!
・駅から美術館までの間にある飲み物や軽食を補充できるコンビニは1軒のみ!
・駅周辺は観光用に整備されたところではない

 JR古津駅という駅になります。悪いところや怖いところというわけではありませんが、新潟県全体が車社会なので、電車の駅周辺はあまり観光客向けではありませんでした。極端な話、「駅チカ!」ではなく、「駅があるだけ」の普通の道。
 駅から新潟市新津美術館への道はほぼ1本道なのでグーグルマップがあればまず迷うことはありませんが、道中コンビニは1軒だけ。しかも調べたら飲み物・軽食売っているそうでしたが、見た目は酒屋さん。案内も観光客向けのものはありませんでしたので、美術館の周辺とは思えない道に「本当にここで合ってる?」という気分になりました。私の場合は、目的であった展示が人気のものだったので、少し歩いたあと展示会の帰りだと分かるキャラクターグッズを持った一団とすれ違えて勇気をもらえましたが、基本的にはグーグルマップを信じるしかありません。

 駅からの道中について辛レビューをしてしまいましたが、こちらから美術館に行く道は、県民にとっては裏口からくるようなものなのかもしれません。
 美術館近くに来るといきなり視界が開け、立派な自動車道が見えてきました。一番近いのが、国道403号線らしく、ここからは美術館敷地へ進路転換したら3分ほどです。こちらは見るからにちゃんと整備されていました。きっとこちらが正規ルート。美術館らしい大きな看板もこちらにありました。車で来るルートがきちんと整備されているので、電車の駅に通じる道は人通りも車通りも少ないのだと思います。美術館周辺はにぎわっていました。新潟市新津美術館は、車で行くところです!(せめてバス)

 他のアクセス方法としては、手前の新津駅というところで降りてバスで移動という手もあるようです。こちらは実際に利用していないので、待ち時間については不明です。検討している方は、上の新潟市新津美術館公式サイトリンクから交通案内を見てみてくださいね。

 ここからは私の体験談ですが、私はこの時点で新潟での車を使わない旅行を舐めており、旅行用品全部を詰め込んだリュックを背負ったままで美術館観光前後4時間くらい歩きっぱなしでした。
 前回で書いたように、行きがけの飛行機で気圧のダメージを受けたので、新潟駅から古津駅までの電車の中では眠ってしまっていました。しかし、電車から下りて、好きな作品の原画展がもう目と鼻の先だと思ったらテンションが上がってしまい……アドレナリンでも分泌されたのか、疲労回復した気になってしまいました。
 そして、古津駅には荷物を預けるロッカーはなかったので、「まぁいいや」とそのまま歩き出し、25分強歩いて美術館にたどり着いて荷物用ロッカーを見つけても、「使っている人が多いし譲ってあげよう」と変な親切心を発揮して持ったまま。(しかも、後ろの人の邪魔にならないようからっていたものを手に持って。肩と腕にダメージ+20!)
 そのまま楽しい気分で展示を見て、植物園も回って、3時間くらい。そのころにようやく疲れを自覚して、駅への帰り道で足の裏が痛いことに気付きましたが、時すでに遅し。
 近くに荷物を預けられるようなところはないので、からい続けるしかなく、さらに電車で2駅先から30分ほど旅館を目指して山道を登る羽目になりました。

 この疲れが原因で、メガネが割れました(新潟旅行1日目 そのさん参照)

新潟市内から大移動しなくても行けるちょうどいい温泉宿、湯田上温泉ホテル小柳

 私がこの旅行の1日目の宿に選んだのが、湯田上温泉 ホテル小柳でした。
 泊まった感想は大満足。個人的には4日間の中で一番好きな宿だったかもしれません。

プラン:朝食付きシングルルーム1泊
値段 :9,000円

 https://www.oyanagi.co.jp/ 👈湯田上温泉 ホテル小柳

おススメポイントとしては以下の点。ちなみに、案件とかではないですし、旅館の人から頼まれたわけでもない、忖度なしの完全な個人の感想ですのでご安心ください。

・車を利用しない方でも行ける距離!
・ひとり旅用のシングルルームがある!
・ひとり旅でも過ごしやすい雰囲気だった
・温泉が気持ちよい。とくに、露天風呂からの眺望が最高!

魅力1・新潟駅発着のシャトルバスが出ていてアクセスがいい

個人的な選ぶ決め手になったのが、車を利用しなくても行きやすい温泉だということです。出発前、せっかく新潟に行くので温泉宿に泊まりたいという気持ちがあったので、温泉のある所を調べてみましたが、意外とちょうど良いところがない。

 温泉宿というのは、温泉がセットになっている以上どうしても山の方にあることが多く、電車駅から遠い場所にありがちなことと、新潟の車社会文化の相乗効果で、バス利用を含めてもアクセスが悪めでした(´;ω;`)

 新潟市内に近い温泉だと、一番有名なのが、「月岡温泉」というところです。『歩きたくなる温泉街』のキャッチフレーズで整備されており、足湯や温泉の源泉を飲泉できるパワースポット、夜は提灯のライトアップがされます。YouTubeで紹介動画も観ましたが、華やかで魅力的!
 ここにしかない観光客向けのお店もたくさんあるので2日目に回ろうかギリギリまで検討していましたが、この月岡温泉、徒歩で行こうと思うと結構厳しい観光地でした。
 最寄り駅からの徒歩距離は何と47分。

 もちろん、ちゃんとシャトルバスが出ていますが、月岡温泉行きが1日5本、帰りは3本と少なく、気ままな旅行がしたい私には向いていなかったです。また、立派で有名なお宿が多いので、お値段の方もちょっと……。

 という理由で、温泉としては第一候補だった月岡温泉をあきらめたのですが、やっぱり温泉には浸かりたい!と思った際に、ホテル小柳を発見しました。
 こちらも、例にもれず最寄駅から30分ほど歩く山の上の温泉……。しかし、47分は無理でも30分以内ならと思えました。
 また、もともとホテル小柳から2駅先の新潟市新津美術館へ行きたいと思っていたので、そこからのアクセス的にもちょうどよく、チェックアウト後に利用する帰りのバスは1本であるものの、旅館の最寄り駅ではなく新潟駅まで送ってくれるというのが魅力的でした。

ホテル小柳公式サイトより  画像は2024年6月現在のもの。 実際の利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。

 👆こういったものですね。本数は少ないものの、最寄り駅まででも、新潟駅まででも送迎可能な点と、いざとなれば電車の最寄り駅まで自力で歩いて行けるという点が決定打でした。
 2日目に実際にホテル小柳から新潟駅南口までの送迎バスを利用しましたが、前日のチェックイン後でも予約できて快適に送ってもらえました。

アクセス方法としては、

・自分の車で向かう
・新潟駅からの無料送迎を利用する(1日2本・事前予約必要)
・旅館の最寄り駅であるJR田上駅から送迎バスを利用する(事前予約すれば伝えた時間に来てもらえる)
・JR田上駅から歩いていく 👈ブログ筆者が旅館へ向かうときに利用した方法。感想は後述

 といったところ。私と考えや状況が似ている方には選択肢となりえる旅館だと思いますので是非!

ひとり旅用のシングルルームがある!1人でも過ごしやすい

 私は、極度に人の視線を気にするタイプではありません(そうだったら、そもそもひとり旅に出ていない)。しかし、宴会場の朝食で他のグループがワイワイしている中で一人で黙々と食べて奇異の視線を受けるのが好き……というわけでもありません。
 なので、旅館の方から「おひとり様も泊まっていい旅館ですよ!」というメッセージを出してくれると安心感があります。

 旅館の宿泊プランはこんな感じ。いいですよね「女性おひとり様歓迎」「おひとり様の利用でもゆったりと過ごしていただけるように~」。シモンズベッドにも興味があったので好感触でした。
 男性おひとり様の場合は泊まれるのかが分かりませんが、特に女性専用フロアというわけではなかったと思います。

 また、シングルルームであれば、必然的にお値段も安いので、その点も大変ありがたいです。ツインやダブルのお部屋に1人で泊まろうと思うと、2人で泊まる場合の1/2の値段ではなく、ほぼ2人で泊まるのと変わらない値段になるようなところもありますから、最初から1人用のお部屋があるのはうれしい。
 朝食付き9,000円で温泉付きは安いと思います。

 実際にシングルで泊まってみた感想すが、長期休みや旅行シーズンというわけではなくてもやはり家族連れが多かったです。大学生女子グループもいました。私以外におひとり様は見かけていません。他の日はどうか分かりませんが、ひとり旅の人が多い、あるいはおひとり様をメインターゲットにしている旅館というわけではないと思います。
 しかし、フロントの方から物珍しい視線を受けたり、他のお客さんから「あの人一人でいるよ」という声を聴くことはなかったです。皆さん和やかに自分の時間を楽しまれている雰囲気。朝食会場は大広間で、一人用席はありませんでしたが、そんな雰囲気だったので悠々自適に過ごせました。

温泉と眺望が良い

 ホテル小柳は、ふもとの駅から山を登り、道中3つほど小さい旅館を通り過ぎた先にそびえる大き目の旅館です。これより先の温泉旅館はないので、その周辺の中では一番眺望がいいと思います。

ホテル小柳公式サイトより

 特に温泉が良い感じ。写真は公式サイトの露天風呂紹介ですが、内湯もちゃんとあります。サウナもありました。シャンプー類もポーラのシャンプー・コンディショナーセットが4種類置いてありなかなかでした。(※女湯の話です)
 露天風呂は柵がないので景観を邪魔されることなく自然を楽しめます。朝4時から開けてくれるので、時期によっては朝焼けを楽しむこともできるはずです。(私が4時起きで行ったときはすでに明るくなり始めていましたが、他に誰もいなかったので一人風呂を楽しめましたし、きれいでした。)

以上、勝手な旅館PRでした。

 旅館の品質やいろんな温泉を楽しみたいという場合は、新潟には有名な赤倉観光ホテルや月岡温泉があるのでそちらが候補になりそうですが、ある程度市内へのアクセスの良さが欲しい場合や、リーズナブルさを兼ねている綺麗な眺望・良い温泉・美味しい食事を楽しみたいならおススメの旅館だと思います。
 実際に利用してみた私自身の体験談は次回の記事がメインとなりますので、そちらも読んでみてください。

疲労の中、山を登る。癒される。

 ここからは、私の旅行感想です。
 私がホテル小柳に向かう方法として選択したのは、最寄駅からの徒歩。これまでに重いリュックを抱えて、飛行機の気圧ダメージ、新潟駅周辺でお昼ご飯を探してウロウロ、さらに美術館観光で4時間歩き詰めという道中を経ての27分の山登り。
 読んでいらっしゃる方にはバカと思われるかもしれませんが、残念ながら私は引けなかったのです。なぜなら、旅館の送迎バス申し込みは、前日までが期限。
 旅行前日の私は、「30分なんて軽い軽い!」と思ってたので、予約しませんでした。……後悔先に立たずではありますが、まぁ、貴重な体験でした。

 JR田上駅からホテル小柳までの道中は、
 疲労さえ溜まっていなければ、新潟の街並みと山の木々、小鳥のせせらぎと水の流れる音を満喫しながらのプチ山登りです。
 疲労さえ溜まっていなければ結構おススメです。疲労さえ溜まっていなければ。

 時間は4時半ごろだったと思います。市街→美術館→植物園→JR田上駅と移動して駅から出ると、なんとホテル小柳の送迎バスが停まっていました。
 「えっ?!」と思っていると、私の後ろから出てきた親子連れがバスの方へ。寝てしまったお子さんを抱いて「よろしくお願いします」と運転手の方とお話しだしました。
 どうやら、ちょうど送迎を予約していた同じ宿に泊まるご家族と電車が被ったようです。

 疲労が限界近かったので、ここでなけなしのコミュニケーション力を発揮して同乗させていただこうかしばし悩んだのですが、できませんでした。
 理由は夕食の調達がまだだからです。
 本来は、もう少し遅くまで美術館にいて、その辺で夕飯を食べてこようと思っていたのですが、滞在時間が思ったよりは短くなったことと、カフェのメニューに気に入ったものがなかったので見送っていました。一瞬、「旅館の売店でカップラーメンでも買おうかな」と思いましたが、残念ながら私はあまりカップラーメンが好きではない。正確に言うと小さい割に値段が高いのでちょっとムカつく。
 そのため、コンビニで食料を調達すべく、このバスは見送ることにしました。

 ちなみに、見かけた送迎バスは、バスと表記したものの、ファミリーカーくらいの大きさです。車体は旅館の名称が入っていて、一目でそれと分かるようになっています。改札を通ってすぐに見える場所で待っていてくれるので、見落とすこともないと思いますよ。利用されていたご家族との会話が少し聞こえてきましたが、運転手さんも感じが良い方のように思えました。

 しかし、私はこの送迎を利用せずに、少しだけ美術館側に戻ってコンビニへ。住んでいる県でも見慣れたコンビニですが、このコンビニ、驚いたことに雪国仕様になっていました。

 雪害が起こりうる地域で採用される造りで、風除室というものらしいですね。店内に入る入り口の前にもう一つ入り口があります。
 事前に見ていた旅館の案内等で、このあたりが冬には雪が積もるところだというのは知っていたのですが、市内のコンビニは九州と変わりませんでした。東京からさほど離れていない県ですが、場所によってはこのような対策が必要だと思うと、地域差って面白いですね。……何なら、美術品より感動してしまった光景でした。

 売っている商品は日本各地で変わりませんので、無事夕食になるものをゲット。一応日持ちするものを選んで、旅館までの道に美味しそうなお店があったらそこで夕食をいただく予定でしたが、閉まるのが早いようで、5時閉店。食べられませんでした。
 コンビニは、私が寄った駅に近いところに1つ、旅館がある山を登る手前の道を通り過ぎて少し歩くと1つ。駅から旅館まで余計な道を通らない場合は1つもありません。いったん宿に入ってしまうと近くには飲食店がない(ホテル以外)ので、ここで確保しておいて本当に良かったと思いました。

 その後は、10分ほど平地を歩き、途中の四つ角で山へ登る道へ左折。曲がる場所はここだけで、あとは道なりに登っていけば着くので方向音痴に優しいルートです。
 道が緩やかな上り坂になると、普通の町といった風情だった駅周辺と比べて「旅館が立ち並ぶ温泉街」といった趣が強くなります。目的地のホテル小柳にたどり着くまでに2つほど小さな旅館がありました。あいにく写真は撮っていませんが、こちらもよい雰囲気。赤い暖簾がかわいらしかったです。
 私が旅したのは6月のはじめなので、あじさいが綺麗でした。旅館に近づくにつれて、少し勾配が急になるところもありましたが、道はデコボコしておらず、キャリーケースなどを引いてでも大した苦なく登れると思います。
 暗い時間帯に歩くには少々街灯が少ない箇所があるので、遅い時間に着く場合は送迎を利用することをお勧めしますが、明るい時間帯なら散歩がてらに歩くのにお勧めできる道だと思いました。

 坂を登って10分ほどで、結構大きな施設が見えてきます。周りに他のものがないので一目でそれと分かります。
 そこを目指して登っていくと、「ホテル小柳」の大きな看板があって、車が入っていく用に見える道があります。徒歩だとここから入っていいのか少し迷いましたが、他に道もないのでお邪魔することに。そこが唯一の出入り口みたいですので、この記事を読まれた方は安心してお入りください。
 この車用の道だけ少々勾配が急です。

 そこを抜けると旅館の入り口。私が行ったときは、あじさい祭りというものが開催されており、旅館の入り口にあじさいの鉢が並んでいました。

 長い道のりではありましたが、山道は歩きやすく、景色も、耳に入ってくる小川のせせらぎや鳥の鳴き声も旅の疲れを癒してくれる楽しい時間でした。元々歩くのが好きなので、ここまでザっと5時間以上は歩き詰めで「足の裏が痛い!!」という意識が常にある状態である強大なデバフがあっても、旅館までの道のりは楽しい時間でした。何気ない街並みにも、その土地ならではの特徴があったりして楽しいですよ。
 ちなみにホテル小柳には周辺に散策できる山林などもあるようなので、行き帰りには送迎を利用して、身軽な格好でその辺を散歩するのも楽しいと思います。

 では、長くなりましたので今回はここまで、次回はホテル小柳に泊まった実体験になると思われます。

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