この記事は、2022年に中古マンションを購入し、半年かけて大規模リフォームをした筆者の体験をまとめた主観的な意見です。
記事の要点
・中古マンションの購入やリノベーションについて、それらを実行した筆者の意見をまとめた記事。
・中古物件とリノベーション(リフォーム)組み合わせることで、資金面・条件面の選択肢を増やすことが可能。
・ただし、手間と期間がかかる点、こだわりすぎるとお金を使いすぎたり将来のリスクが発生する点に注意。
・概要をまとめた記事のため、具体例(金額等)を出していない点に注意。
「持ち家が欲しい」と思った時の主な選択肢は4つ
一般的に持ち家が欲しいと思いたったときに検討するのは以下の4つと思われます。
新築一軒家(建売・注文住宅)
新築マンション
中古一軒家
中古マンション
それぞれ利点も欠点もありますが、私が選んだのは中古マンション。ほとんど迷うことはありませんでした。
小さいころから、「大人になったら好きな部屋をつくりたい!!」という願望が強かったから×ひとり暮らしで一軒家の広さは必要なかったからです。

新築時に決められた画一的な間取りではなく、自分のライフスタイルに合わせた間取りを組んで、そこに好きな壁紙を貼って、好きなインテリアを置いて、私だけのお城を作るんだ!と小学生の頃から折に触れて考え続けてきました。
そんな家オタクにとっては、中古マンションはとても魅力がありますので、本記事ではその魅力についてご紹介します。今住宅について悩まれている方は、自分に合った選択肢を選ぶ参考にしてもらえれば幸いです。
中古マンションという選択
他の選択肢と比べてのメリットデメリットは挙げればキリがないので、別記事を作る予定ですが、簡単に説明すると、
中古マンションには、新築と比べて安価に購入できる可能性が高いというメリットがあり、また一軒家と比べても、設備面や防犯性に優れていることが期待できます。また、新築と比べて選択肢が広いので、場所や広さ等の条件にこだわって選ぶことができます。
しかし、デメリットとして、購入時に傷んでいる部分のリフォームが必要になったり、そのリフォームやリノベーションに手をかけるほど、追加で資金や引越せるまでの準備時間が必要になってくるのです。すでにリフォームされた中古物件を買う場合は、手間が必要ない分、売り値にリフォーム代が含まれているため割高になってくる場合もあります。
中古マンションは、選択肢の広さやカスタマイズ性に優れている分、手間や知識が必要になってくる、自作パソコンやハンドメイドアクセサリーのような存在だと思っています。
手間をかける分、好みや価格など、自分がこだわるところにこだわれますし、こだわるわりに一軒家よりは安くすませられる可能性が高いところが、私が中古マンションをお勧めする理由です。
中古マンション×「リノベーション」で=自由度の上昇
中古マンションというだけで、新築マンションと比べて立地・内装・資金の面で選択肢が増えます。また、購入の手間は一軒家の注文住宅よりは少ないのではないかと思っています(注文住宅を建てたことがないのでこれは完全な主観になりますが)。
ある地方都市の場合、新築マンションは90件、中古マンションだと3,000件超えの広告が掲載されています。それらの掲載されている情報の中に、自分の条件と合うものがあればそれでいいのですが、いまいちピンとくる物件が見つからない場合には、「リノベーション」という要素を組み合わせることで、その選択肢は大きく自由度を増します。
例えば、
「綺麗な部屋に住みたいけれどリノベーション済み物件は高いわりにどこも同じような色でつまらない」だとか、
「6人家族で狭くてもいいからそれぞれの個室をつくりたいけれど、広くて高い物件か、他の条件はいいけど個室は作れない物件しか見つからない」だとか、
「音楽をやっているので防音室、ペットの安全を考えているので作り付けのキャットウォーク、特殊な設備が欲しいので、注文住宅を買うしかないんじゃないかと思っているけど、土地も買うようなお金はない」
等の悩みがある場合は、リノベーションをすることでそれらを解決できる可能性があります。
また、リノベーションをする場合は、その分購入時の間取りや設備の年季を気にせずに物件を選べるようになる場合が多いので選択肢が広がります。そのため、こだわりがあるわけではないけれど、手間をかける余裕はある場合、リノベーションも念頭において物件を探すことで選択肢を広げられるでしょう。
別に、「特別なこだわりがあるからリノベーションをする」ではなくていいんです。
値段、スーパーへの近さ、安い駅チカ、個室の数、エトセトラ…
特別なことでなくても、持ち家の購入において自分が重要視することにとことんこだわれるのがリノベーションのいいところだと私は思っています。
好み・資金・資産性にこだわるリノベーションの例
上記で紹介したリノベーションの例には下記のようなものがあります。
例・好みにこだわる場合
「築20年で新築時と比べて2/3の値段になった中古マンションを購入」×「リノベーションで元の間取りをいじって、憧れだった防音室と5人家族で暮らせる間取りを実現」=「新築より安い値段でマンションを購入できて、特殊なニーズを満たした部屋で生活できるようになった。物件価格とリノベーション代の合計額は新築を買った場合より少しだけ安いかも(※リノベーション条件によって増減する部分)」
例・資金(払うお金)にこだわる場合
「築10年だけど駅から遠い分値段が新築時の半分になった中古マンションを購入」×「リノベーション費用も節約して、間取りは変えずにリモートワークに適した快適な内装を重視する」=「自分にとって最も大切なことを突き詰めることで、負担のない資金計画と自分にとって快適な環境を実現できた」
例・資産性(将来)にこだわる場合
「築30年で新築時と比べて3/4の値段になった快速電車の留まる駅チカ最上階角部屋を購入」×「リノベーションで数箇所の間取りを変えて憧れだった無垢の床も実現」=「10年後には別の県に住もうと思っているが、条件がいいので築40年でも購入時とさほど変わらない値段で売れると予想しているし、無垢の床で付加価値もついた」
あなたの家づくりは、この3パターンのうちどれが1番理想に近いでしょうか?
家づくりには誰にでも当てはまる正解がありません。ですから、自分の、あるいは家族の望みを叶えられる手法を選ぶことがとても大切だと思います。
私の中古マンション×リノベーション
最後に、もう一つの例として、筆者の家づくりについて紹介します。ここまでで、散々こだわりが実現できますよ!と書いてきましたが、こだわりすぎにもご注意を。
私の目指した中古マンション×リノベーションは、前項の「好みにこだわる」に全振りしたものでした。
一言でまとめると、「注文住宅(一軒家)よりは安くすませられる中古のマンションを買って、私の理想の内装にリノベーションしよう!」という計画です。壁も床も全てを壊して、マンションの構造上必要な柱だけを残した状態から私の理想の家を組み立てる、思い返せばだいぶ大掛かりなことをしました。
一軒家で言えば、元あった古い物件を取り壊し、更地の上に新しい物件を建てるようなものですが、マンションの場合は地中の基礎部分や大黒柱、ベランダなどをいじる必要がないため、解体も再建も一軒家よりは安く、その上で注文住宅のような自分の希望通りの生活ができる空間を作れると思ったのです。ちなみに、こういったリノベーションのことをフルリノベーションと言います。
結果的に、その計画の末にできた我が家は最高の家だと思えています。
ただし、私の考えは中古マンション×リノベーションの王道というわけではなく、むしろ邪道寄りの計画のようでした。実際、私のお世話になったリノベーション業者がお勧めしているのは、
「資産価値が高い中古物件を購入」×「予算の範囲のリノベーションで理想を実現」×「将来住み替えを行うときに早く高値で売れる物件を目指す」=「顧客にとって総合的に良い住まいを」
というものでした。
つまり彼らプロとしては、あまり個性の強すぎる家だと売れないのでマンションが壊れるまで住み続けることを余儀なくされる。今後の人生何があるかわからないから、駅チカなどの資産価値の高い物件を購入して、ある程度万人受けするリノベーションをして、別の場所に住みたくなったときはすぐに誰かが買ってくれる物件にすること。というのが最善だと考えているわけです。
私は、将来のリスクを許容して、自分本位なリノベーションをしました。ただ、お世話になった業者さんの主張はもっともなものだと思っています。実際、私はリノベーションをした1年後に、空き家になった実家の売却をすることになり、売れない不動産、いわゆる負動産を持つことの負担をそこで実感させられました。
中古物件を選ぶときに、リノベーションにお金をかけたいからといって「自分は許容できるから!」と条件の悪いところを購入したり、リノベーションをするときに「私の理想はこうだから!」と全室をドラ○もんの壁紙にしたり、必要なドアをなくした構造にしたり、ペットのための施設を作りすぎたりと、家にかけた値段と売るときの値段があまりにも乖離するようなこだわりを発揮してしまうと、その物件は自分にとっては最適解だけど他人にとっては負動産……ということになりかねません。(※これはあくまでも一例であって、私が実行したすべてではありません。)
自由度の高い分、注意が必要な部分も多いので、パートナーとなるプロの意見をよく聞いて考えて行うことが大切です。
このような注意点を踏まえて、中古マンション×リノベーションという選択肢に興味を持たれた方は、ぜひ他の記事も読んで、ここでは紹介できなかったリノベーションの楽しさや、事前に知っておくべき注意点を把握して挑んでいただければ幸いです。
トイレのドアを取り払ったリノベーションをしちゃった おくつま べてぃ