この記事を読んで分かること
・失業保険でもらえる金額が分かる時期
・どうやって失業保険の金額を知るか
・退職前には失業保険の金額が分かるか
・職業訓練について
今回の記事は、失業保険編2回目です。
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私が正確な失業保険の金額を知ったのは、退職から2か月目
最初に申し上げますと、私が失業保険の正確な金額(日額)を知ったのは、5/9でした。
2024.3/31に退職しましたので、39日後……1か月ちょっと後です。
失業保険の日額は「雇用保険受給資格者証」に記載されているので、これを貰えるまでの日数が、私の場合これだけかかったことになります。
どの程度かかるかは、人により異なりますので、早ければ初めてハローワークに行って「失業保険を受け取りたいです」と申請をした日に案内される、雇用保険説明会の会場でもらうことができます。
私の場合は、前職の給与計算の締め日との兼ね合いでこのときにまだ最後の給与額が確定しておらず、従って失業保険の金額も未確定ですということで、説明会の時には失業保険金額の載っていない雇用保険受給資格者証を貰いました。そして、初回認定日の5/9に金額が記載された受給者証と交換してもらって、ようやく金額を確認することができました。
↑の書類の、19.基本手当日額というのがそれに当たります。
私の場合は退職してから39日後となりましたが、これはちょっと遅めの判明です。
ハローワークの説明を聞く限り、早い人だと、退職後1か月以内。遅くても2か月以内に自分の失業保険の日額を知ることができるのが一般的だと思われます。
失業保険が再就職するまでの大事な生活費、という方には失業保険の金額はすぐにでも知りたいことでしょうが、退職後にハローワークの手続きに必要な書類が送られてくるまでの期間や、給与計算の結果が出るまでの期間はどうしてもかかってしまうので、ある程度は待つ必要があります。
また、残念なことに、雇用保険受給資格者証に載っているのは、失業保険の日額です。
=「自分がもらえる金額」ではありませんので注意しておきましょう。
全部でいくら貰うのかは、結局最後まで分からない
「そんな安心できない社会保障があってたまるか!」と思われるかもしれませんが、これは事実です。
失業保険は、受給にいろいろと条件が付きます。そのため、受給期間中にそれらの条件を満たさなくなった、あるいは違う条件を満たし、受給前に貰う予定だった金額と、実際に貰った金額が変わることがあり得ます。
まず、基本の給付額は
「雇用保険受給資格者証」に載っている
19.基本手当日額 × 20.所定給付日額 = 受給予定の失業保険金額
となります。
私の場合は、上記の式通りの失業保険を受け取る予定です。
ただし、以下の例のようなことがあれば、その金額は変わってしまいます。
失業保険の金額が変わるパターン
例1 再就職した
私はよっぽどいい求人を見つけないかぎりは、給付期間中に再就職しないつもりでいますが、そのよっぽどいい求人に出会ってしまう可能性もあります。
また、のんびり無職でいられる基盤が揺らぐ(資産が減るなど)して、早期の再就職が必要になることも考えられます。
その場合は再就職しますが、その場合は、「失業保険」を受け取る条件を満たさなくなり、代わりにその時点で受け取っていない失業手当全額×70%~80%の金額に相当する「再就職手当」というものを受け取ることになる可能性があります。
再就職した先で働いた分のお給料をもらえるようになるので、全体で見ると再就職する方が得だと言われています。失業手当より少し少ない金額にはなりますが、再就職手当はもらえますし、ハローワークを早めに卒業できた方が心が軽くなりますからね。条件的にも空白期間が短い方がよい企業に再就職できる可能性が高くなるでしょう。
ちなみに、再就職先のお給料の金額が前職よりある程度下がったり、再就職のために引っ越しが必要であったりなどの条件を満たすと、再就職手当に加えて別の手当の支払い対象になる場合もあります。
逆に、再就職後すぐ退職してしまった場合に再度手当を受け取れるかの条件は複雑になります。皆さまがこうなった場合は、再就職先は慎重に選んだうえで、自分の選んだ道でどのような給付が受けられるのか必ず調べておく必要があります。
これがもっとも穏便で、先々の不安が少ない失業保険の金額が変わるパターンだ音もいます。
例2 職業訓練校に通うことになった
私はちょっとだけこのパターンに進むことを検討していました。
職業訓練は、ハローワークを通して申請して、再就職のための技能を身に着けるための授業を受けるシステムのことです。基本的には何らかの資格を取ることを目指して、数か月から長いものだと数年をかけて技能を取得します。「webデザイン」「FP(ファイナンシャルプランナー)」や「宅地建物取引士」などが人気です。
失業保険受給中の方であれば、基本的に授業料・テキスト代無料。条件を満たせば、月10万円の給付(職業訓練受講手当)や、学校までの通学にかかるお金の補助(通所手当)も出ます。
また、失業保険についても、条件を満たせば「訓練延長給付」という制度により、基本の給付日数より長い期間失業保険を受け続けられる場合があります。
これだけ聞くとウハウハですね。
職業訓練校の受講を申し込むと、倍率によって試験や面接でふるいにかけられます。見事突破して学校に通うことになれば、上記のような補助が入ることが多いので、基本の失業保険+延長給付分の失業保険+プラスαで雇用保険各種の手当を受けて最終的にもらった金額が多くなる可能性があります。
その分、訓練校に通っている期間の再就職活動への影響や、その期間の生活費などマイナスの面もありますので、下記の私の思ったメリット・デメリットも参考によく考えて申し込んでください。
申し込む場合は、ハローワークに専門の相談スペースがあるはずです。
ちょっと別の話・訓練校に行こうかと思っていたけどやめた体験談
私の場合は、持ち家や貯金額が条件から外れるので、上記の受講手当や通所手当は対象外です。
最初はそれでも行きたいと思っていましたが、少し調べてみると、私には適していないことが分かったので、結局希望しないことにしました。
理由としては以下です。職業訓練の手当以外のメリット・デメリットとして見ていただければと思います。
行きたかった理由
1・欲しかった資格があった
その資格が必要な業界への就職は考えていませんでしたが、ある資格に興味があり、その勉強が無料でできるなら嬉しいと思っていました。
2・学校に通ってみたかった
職業訓練校では懐かしい学校生活を再体験できます。しかも1日中資格のための勉強!のちのち思ったよりキツそうというを知って躊躇しましたが、知った時点ではワクワクしました。詰め込み合宿やら、災害による泊まり込み作業やらの困難に対してテンションが上がる難儀な性格をしているもので。
3・尻を叩いてほしかった
資格取得はしたいと思っているものの、1人で勉強していてもついつい怠けてしまいます。周りに同じ資格を目指して頑張る仲間や教師がいて、強制的に学校に通う義務のある生活の方が資格取得の効率はいいかなと思いました。
行かなかった理由
1・学校が遠すぎる
職業訓練は、専門学校に委託したりしているので、所轄のハローワークから遠方の学校に通う場合があります。希望する資格・学校によりますが、私の場合は、4月に募集していたコースが通所が負担になる場所だったことが止めた理由の一つです。数か月通う+通所手当なしは地味にキツイ。
2・試験や面接がある
資格が取りたいくせにこれを理由にするのは良くないとは思いますが、私が検討していたコースの応募者が、私が検討しだした時点で多かったので、ふるいにかけられることにひるみました。私の場合、再就職意欲が薄いので面接でウソをつくことになりそう……。そして10年近く勉強をしていないので数学が怪しい。
3・資格取得後の速やかな再就職が求められる
職業訓練校に行かなかった理由の8割はこれです。体験談などを読んでみましたが、職業訓練校に指定された学校は、再就職者を出すことで補助金を貰っているようなので、熱意が高そうです。職業訓練校に通うこと自体への興味はあったのですが、私の再就職意欲は薄いので利用する資格がないなと結論付けました。
何もしていないのに日額が変更になる
これは私の体験談なのですが、失業保険を貰っている最中、失業保険の日額が上がりました。
その日が台風で職員さんたちも忙しそうだったため、詳しい理由は聞けませんでしたが、日額が上がったことを教えてくれた職員さんいわく、「8月に日額が変わることがある」らしいです。
私は金額が上がりましたが、下がることもあるのかは不明です。
上がった日額は、「雇用保険受給資格者証」の裏面に【新基本手当日額】として印字されます。
上がったといっても51円/日だったので、大きく変化したわけではありません。月額で1500円ほど上がるので嬉しいっちゃ嬉しいですが、外食1回分上下する程度と思っておいていただければと思います。
その他
今回の記事の主題になっている「失業保険」は上の図の「基本手当」です。雇用保険にはそれ以外にもたくさんの失業にまつわる手当があり、上で紹介している以外にも当てはまる可能性はあります。
そういったプラスの手当により雇用保険からの総受給額が上がることもあれば、アルバイトや再就職、起業による受給資格喪失や、手続きに行けなくて受給期間が満了してしまったなど、失業保険の受給申請をしてからの人生計画の方針転換、トラブル等によって、雇用保険からの手当は少なくなる場合もあるでしょう。
私も基本的な手当総額になることを予想しているものの、全ての失業保険を受け取るまで半年程度かかることを考えると、それまでに何かが起きない可能性は0ではないと思っています。
なので、雇用保険受給資格者証で分かる金額については、あくまでも目安程度に見ておいた方がいいかもしれません。特に再就職を目指している方は、ほとんどが全額を受け取ることはないでしょうから。
雇用保険受給資格者証を貰う前に失業保険の金額を知る方法
シミュレーションサイトを利用する
100%正確な数字が出ることは保証しませんが、雇用保険受給資格者証を貰う前、実際に退職する前でも、ある程度の失業保険の金額を知ることはできます。
「失業保険 計算」などのキーワードで検索をかけると出てくるいくつかのシミュレーションサイトに自分の賃金や退職時の条件などを入力すると、だいたいの金額が出てきます。
といっても、退職前6か月の賃金総額が分からないといけないので、手もとに給料明細が揃っていない方や、まだ退職していない方に正確な金額を知るすべはありません。
なんなら、ハローワークに関する手続きを最速で進めていれば、最終の給料が確定してすぐハローワークに情報が行って雇用保険受給資格者証に記載されるはずなので、自分が最終の給料を確認して計算するより、そちらを貰う方が早い可能性すらあります。
なので、シミュレーターは目安程度に使いましょう。
私が上記サイトに入力をしてみたところ、このような結果になりました。実際に受給する金額より10万以上低くなっています。おそらくこれは私が何かしらを誤って入力しているのですが、このように何か1つ勘違いがあればあてにならない金額が算出されますので、本当に目安でしかないと思っておきましょう。
ハローワークに問い合わせを行う
わたしが実際に行った方法ではないので保証はできませんが、失業保険をもらうためにハローワークで職業相談を受ける列に並んでいたところ、総合受付にやってきた男性が、
「まだ退職はしていないが、2か月後に退職したら失業保険がいくら貰えるか知りたい」
という要件で総合受付に来ていました。
男性は別の窓口に誘導されていったので、その後どのようなやり取りがあって、どの程度正確な情報を得られたのかは不明ですが、総合受付の方の受け答えや態度を見ている限り、これはそんなに珍しい要件でもなさそうでした。
戸惑ったり、誰かに聞いたりすることもなく、担当の窓口に誘導していたため、対応可能な要件なのかなという印象を受けました。
もちろん、失業保険の正確な金額は退職後に会社で最後のお給料計算が終わらないと算出されないはずです。給与明細から基本給の日割り額を算出したところで、退職までに残業などで給料が変われば金額も変わると思うので、プロフェッショナルのハローワークでも絶対この金額というのは分からないでしょう。ただ、質問自体はできるようなので、失業保険の金額が生活に直結するような方は事前に相談に行ってもいいかもしれません。
まとめ
というわけで、失業保険の日額が分かるのは、ハローワークに失業保険を貰いたい旨を申請して数日~長くて2か月程度してからもらえる「雇用保険受給資格者証」を確認したときです。
その後も、自身の求職活動やハローワーク都合?でもらえる金額が変わることがあります。
だいたいの金額ならば、必要資料(退職前半年分の給与明細等)をそろえてシミュレーションサイトやハローワークで確認を行えば分かるかもしれません。
しかし、退職前に正確な金額を知ることは難しいので、私個人としては「失業保険はあてにしすぎない」くらいの感覚でいるのをおススメします。
金額自体は大きいので、受給できれば生活の助けになることは間違いないですが、その金額を皮算用して退職後の生活の予定を立てるのはお勧めしません。最悪の最悪のパターンを挙げれば、待期期間満了後すぐにハローワークで再就職が決まって、再就職手当とお給料を合わせれば生活できそうだと思って基本手当の受給を止めて就職したら、ブラック企業で入社1日で辞めて、しかも揉めて弁護士費用まで必要になったという悪夢が降りかかる可能性も0ではありません。
可能であれば、失業保険を貰えなくてもどうにかなるくらいの準備を整えて退職できるよう願っております。